摩耗対策技術

摩耗対策加工とは

摩耗対策加工は、機械部品や素材の表面に特殊な処理を施すことで、摩擦や摩耗による劣化を防ぎ、性能や寿命を向上させる加工技術です。

摩耗対策加工のメリット

生産効率の維持
摩耗による故障や性能低下を防ぎ、製造ラインの停止や品質不良を防止します。
メンテナンスコストの削減
耐久性の高い材料や設計を採用することで、交換頻度や修理費用を抑えることができます。
製品品質の安定化
摩耗による混合精度の低下を防ぎ、製品の均質性を維持します。

課題解決のご提案/摩耗対策技術のご紹介

アイリッヒの摩耗対策加工技術をご紹介します。
当社では、専門スタッフが原料や使用環境に応じて最適な素材と加工方法を選定し、お客様のニーズに合わせた耐摩耗処理をご提供しています。

摩耗対策加工の対象は、以下の3 つの主要部位に分類されます。

1.撹拌工具・スクレーパ
　超硬チップろう付、硬化肉盛溶接、金属メッキ、溶射処理などによる耐摩耗強化加工

2.混合容器
　金属メッキ、溶射処理などによる耐摩耗性・耐腐食性の向上

3.パンシール
　表面改質加工による摺動性・耐摩耗性・付着抑制性能の向上

超硬チップろう付

加工対象︓撹拌工具・スクレーパ
硬度の高い超硬素材を工具に取り付けることで、耐久性を高めます。高負荷・高摩擦環境でも安定した性能を発揮します。
スラリー状の原料に適した加工技術です。

硬化肉盛溶接

加工対象︓撹拌工具・スクレーパ
耐摩耗性・耐衝撃性に優れた金属を母材に溶接する技術です。硬質な原料（例︓ガラス、鉱物系粉体）に適しており、工具の摩耗を大幅に抑制します。
出荷前には、運搬および保管時に錆びないように防錆塗料を施しています。

金属メッキ/溶射処理

加工対象︓ 撹拌工具・スクレーパ・混合容器
金属メッキは、部品表面に金属を薄くコーティングする表面処理技術です。金属の薄膜が形成されることで表面硬度を高め、滑り性を向上させます。
溶射は、高温で熱した金属やセラミックをスプレーで噴射してコーティングする表面処理技術です。表面に耐摩耗・耐腐食性の高い皮膜を形成することができます。

表面改質加工

加工対象︓ パンシール
微細砥粒を用いた表面処理により、パンシールの表面を硬化・平滑化します。
摩耗しやすいパンシールの耐久性を高めます。

製品のご紹介

アイリッヒインテンシブミキサーは原料、混合物、化合物のさまざまな処理⽤途のために開発された⾼速撹拌混合造粒機です。⽤途に応じた撹拌⼯具の形状と回転数の選択により、最適な原料処理を実現します。運転条件の調整により、混合、造粒、混練、スラリー化などの複数のプロセスを1台の機械で対応可能です。冷却‧加熱に対応するジャケット構造の混合パン含め、さまざまなプロセスを可能にする幅広いオプションを設けており、⽤途に応じたカスタマイズが可能です。

アイリッヒの混合原理の特⻑

①偏⼼した位置で撹拌するロータ⼯具（撹拌⼯具）
　ロータ⼯具の形状、回転⽅向や回転数の変速域を⽤途に合わせて選定可能
②ツールセット（スクレーパ）
　混合パンの内壁や床に付着した原料をかき取り、同時にロータ⼯具への効果的な原料移動を促進
③混合パン（混合容器）
　回転によって、混合容器内のすべての原料を連続的にロータ⼯具へ供給

独⾃の機構

短時間混合および⾼い均質性
⽐重の異なる原料の処理が可能
回転する混合パンが原料移動を促進し処理残しを低減
ロータ⼯具の形状を選定し、混合パンの回転数を調節することにより複合的な原料処理に対応可能
プロセスの複合化によって⽣産設備の省スペース化、省エネ化を実現
最適な運転パラメータを設定することで、再現性の⾼い原料処理を実現

アイリッヒインテンシブミキサー

R 型、D 型の2 種類のシリーズがあります。処理量も1~12,000L と幅広いラインアップを取り揃えています。

型式	有効容量（L）	逆噴射ノズル	冷却加熱	処理品の排出
R型シリーズ	1~8,000	×	一部対応	混合パン脱着式（EL1 型/EL5 型）混合パン傾動式（R05T 型/R09T 型）排出ゲート式
D型シリーズ	1,500~12,000	×	一部対応	排出ゲート式