原料付着の課題とは

粉粒体を取り扱う事業者にとって、容器内の付着や残留物は、製品品質の維持、収率や作業工数、作業者の安全性の観点から大きな課題となっています。

付着により発生する課題

  • 付着による品質のばらつき
  • 製品の収率の低下
  • 付着によって発生するクリーニングやメンテナンスに伴う工数の増加
  • 作業者の安全性への配慮

製品に求められること

  • 付着の低減
  • 製品の収率向上
  • 付着に伴うクリーニングやメンテナンス工数の削減
  • 作業者と混合物との接触機会低減

課題解決のご提案/付着低減技術のご紹介

原料の付着低減に配慮したアイリッヒの5つの技術をご紹介します。
独自設計により、混合パンの上部・側面・底面のすべてに対して、漏れのない付着対策を実現します。

1.混合パン(混合容器)のフラット構造
 装置の設置がないフラットな構造が高い清掃性を実現いたします。

2.ツールセット(スクレーパ)による混合パン側壁および底面の付着防止機能
 混合パンの内側に添って設置されたツールセットが混合パンの内壁や床に付着した原料をかき取ります。

3.ロータ工具(撹拌工具)についている底掻きチップ
 ロータ工具の最下端に取付けられた底掻きチップが容器底部の付着を防止します。

4.温度管理可能な冷却・加熱仕様
 冷却・加熱に対応する混合パンにより処理中の原料温度を管理でき、温度変化による付着を防げます。
 ※本仕様は、インテンシブミキサーの一部機種およびハイジェニック用途向け「クリーンライン」シリーズに搭載されています。

5.逆噴射ノズル
 圧縮空気を噴射することで、クロスヘッドへの原料付着、残留を低減します。
 ※本仕様は、ハイジェニック用途向けの「クリーンライン」シリーズのみに搭載されています。

最終的に残った付着物については清掃が必要ですが、ツールセット・ロータ工具はいずれも取り外し可能で、水洗いにも対応しているため、クリーニングやメンテナンス性に優れています。また、有効容量5L までの小型ミキサーについては、混合パンの取り外し・水洗いも可能となっております。
アイリッヒ ミキサーの多彩な付着防止機能と高い清掃性を備えた構造が、製品の品質と作業者の安全を守ります。

混合パンのフラット構造

課題︓混合パンの清掃
一般的なミキサーの場合、混合用の撹拌工具や容器内の循環を助ける装置などが混合パンに直接、設置されていることが少なくありませんが、アイリッヒミキサーは混合パン自体が回転する独自構造により、混合パンをフラットに保つことを可能にしました。
装置のない平坦面は、付着を防ぐと同時に高い清掃性を有しています。

ツールセットによるかき取り

課題︓混合パン内壁および底面の付着
天板から混合パンに向かって伸びるツールセットが混合パン側壁および底面の付着を自動でかき取ります。
一般的に付着しやすい、混合パン上部の角への付着も防止でき、手作業でのかき取りを省くことができます。混合処理途中のかき取り作業が不要になることで、蓋の開閉作業をなくし、容器内の環境安定、異物混入防止にも役立ちます。

ロータ工具の底掻きチップ

課題︓混合パン底部への付着
アイリッヒのロータ工具は用途に合わせて種類をお選びいただけますが、そのすべてにおいて、工具の最下端に底掻きチップが取付られています。
混合パンの底までムラなく混合することで、付着を防ぎ、質の高い混合を実現いたします。

温度管理が可能な冷却・加熱仕様

課題︓温度変化による付着
原料処理中に温度変化が起きることで、結露や静電気が発生し、付着・凝集が発生するケースがあります。アイリッヒの冷却・加熱に対応する仕様により、混合パンの温度を適切に管理でき、温度変化による付着を防ぐことができます。
この機能は、温度変化に敏感な原料の品質保持にも貢献します。
※一部機種にのみ対応しています。

クロスヘッドの逆噴射ノズル

課題︓クロスヘッド(天板)への付着
混合パン内部のクロスヘッド(天板)に搭載された逆噴射ノズルにより、天板への原料付着や残留を低減することができます。
※一部機種にのみ対応しています。

関連動画のご紹介

ミキサーの仕様と混合原理のご紹介

ミキサーの仕様と混合原理のご紹介動画(所要時間2分)です。

製品のご紹介

アイリッヒ インテンシブ ミキサーは原料、混合物、化合物のさまざまな処理⽤途のために開発された⾼速撹拌混合機です。⽤途に応じたロータ⼯具(撹拌⼯具)の形状と回転数の選択により、最適な原料処理を実現します。運転条件の調整により、混合、造粒、混練、スラリー化などの複数のプロセスを1台の機械で対応可能です。冷 却‧加熱に対応するジャケット構造の混合パン含め、さまざまなプロセスを可能にする幅広いオプションを設けており、⽤途に応じたカスタマイズが可能です。

アイリッヒの混合原理の特⻑

①偏⼼した位置で撹拌するロータ⼯具(撹拌⼯具)
 ロータ⼯具の形状、回転⽅向や回転数の変速域を⽤途に合わせて選定可能
②ツールセット(スクレーパ)
 混合パンの内壁や床に付着した原料をかきとり、同時にロータ⼯具への効果的な原料移動を促進
③混合パン(混合容器)
 回転することにより、混合容器内のすべての原料を連続的にロータ⼯具へ送り込みます。

独⾃の機構

  • 短時間混合および⾼い均質性
  • ⽐重の異なる原料の処理が可能
  • 回転する混合パンが原料移動を促進し処理残しを低減
  • ロータ⼯具の形状を選定し、混合パンの回転数を調節することにより複合的な原料処理に対応可能
  • プロセスの複合化によって⽣産設備の省スペース化、省エネ化を実現
  • 最適な運転パラメータを設定することで、再現性の⾼い原料処理を実現

アイリッヒ インテンシブ ミキサー

R 型、D 型の2 種類のシリーズがあります。処理量も1~12,000L と幅広いラインアップを取り揃えています。

型式 有効容量
(L)

逆噴射ノズル

冷却加熱 製品排出
R型シリーズ 1~8,000 × 一部対応

混合パン脱着式(EL1 型/EL5 型)
混合パン傾動式(R05T 型/R09T 型)
排出ゲート式

D型シリーズ 1,500~12,000 × 一部対応 排出ゲート式

製品詳細はこちら

アイリッヒ クリーンライン

GMP 対応も可能なハイジェニック仕様のミキサーです。

型式 有効容量
(L)

逆噴射ノズル

冷却加熱 GMP対応 製品排出
C5型 5 × エア/液体

混合パン脱着式

C40型 40 エア/液体 混合パン傾動式/ESD
C400型 400 エア/液体 ESD
※ESD︓EIRICH Smart Discharger(吸引型製品排出装置)

製品詳細はこちら

弊社テクニカルセンターのテスト機の設置状況は こちら から「テスト機ラインナップ」をご確認ください。
より詳しくお知りになりたい方は、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。

少量の原料処理テストより承ります

日本アイリッヒのテクニカルセンターでは、最小1Lから最大400Lのテスト機を揃えており、少量の原料処理テストからスケールアップテストまで各種テストを行っています。経験豊富なスタッフがお客様の最適な原料処理方法をご提案いたします。

以下よりお気軽にご相談ください。