燃焼灰の資源化の課題

木質バイオマス燃焼灰︓木質バイオマス発電導⼊容量は2024 年に5000MW(資源エネルギー庁公表資料より)を超え、今後も上昇が⾒込まれます。⼀⽅で燃焼灰の産廃処理費が上昇しており、同処理費を抑えるためにも有効活⽤⽅法の確⽴が急務となっています。

⽯炭灰︓⽯炭灰の⼤部分は有効活⽤が図られていますが、⼀部は埋⽴処分されており、その有効利⽤⽅法が課題です。また、有効利⽤量の多いセメント分野で有効利⽤できないフライアッシュJIS 規格外品の灰の改質も課題と言えます。

燃焼灰の資源化に求められること

  • 埋⽴処分されている燃焼灰の有効活⽤
  • フライアッシュJIS 規格外の⽯炭灰の品質向上
  • 重⾦属などの有害物質が含まれるため、適切な処理
  • バイオマス燃焼灰の有効活⽤⽅法の確⽴

参考︓新技術説明会 channel, 2024 科学技術振興機構(JST)
https://www.youtube.com/watch?v=VZPFPqyEPp4

課題解決のご提案/燃焼灰の資源化の処理事例

燃焼灰の有効活⽤の際、含有する未燃炭素が問題となります。浮遊選鉱法の原理を利⽤して、燃焼灰の表⾯の未燃炭素を分離・除去し、燃焼灰粒⼦の表⾯をクリーニングします。本処理により、燃焼灰より未燃炭素が除去され、その有効活⽤の幅が広がります。
画像1. は、フライアッシュ(⽯炭灰)の未燃炭素の分離例です。セメント分野で有効利⽤できないフライアッシュJIS 規格外品の灰も、本処理により、JIS 規格相当の未燃炭素量とすることが可能となります。分離回収した未燃炭素も助燃剤等としての有効活⽤が可能です。

また、未燃カーボンを分離・除去するプロセスにおいて、重⾦属の除去効果が確認されています。
画像2. は2 種類の⽯炭燃焼灰の改質処理による重⾦属溶出濃度の推移グラフです。処理回数に伴い濃度の低減が認められますが、砒素では増加する場合もあり、今後の検討課題です。

アイリッヒ インテンシブ ミキサーは混合、造粒、混練、コーティング等の複合的な原料処理を1 台(ワンポットプロセス)で処理することが可能な高速撹拌混合機で、灰を混合、造粒、混練、スラリー化する処理で実績があります。
フライアッシュの未燃カーボンの改質処理に、アイリッヒ インテンシブ ミキサーを適⽤することで、処理時間と添加剤の量ともに⼤幅な削減効果が認められました。(処理時間の短縮︓攪拌時間 3 時間⇒3 分、添加剤量の低減︓灯油添加量 5% ⇒1.1%)
画像3. では、改質処理により、燃焼灰の表⾯に付着している未燃炭素が分離・除去され、きれいな表⾯になっていることが確認できます。

画像1.未燃炭素の分離・除去例

(左より燃焼灰11.3%・未燃炭素収集物60.9%・改質灰1.5%:数値は未燃炭 素量)
課題︓未燃炭除去技術による灰の品質向上、セメント分野で有効利⽤できないフライアッシュJIS 規格外品の灰の改質
未燃炭素含有量がJIS 規格外のフライアッシュを、本処理により、JIS 規格相当の未燃炭素量とすることが可能

画像2.重⾦属除去効果

課題︓重⾦属などの有害物質の適切な処理
燃焼灰に含まれる重⾦属(六価クロム、セレン、フッ素、ホウ素、砒素)除去効果が確認できます。処理回数に伴い濃度の低減が認められますが、砒素では増加する場合もあり、今後の検討課題です。

画像3.燃焼灰の改質処理

課題︓未燃炭素の分離・除去
木質バイオマス混焼灰の改質前後の写真です。表⾯の未燃炭素等がきれいに分離・除去されています。

画像4.第7 回日本オープンイノベーション⼤賞環境⼤臣賞を受賞

本技術を⽤いた北九州市⽴⼤学 高巣教授との取組「超低炭素型コンクリートを社会実装するための木質バイオマス燃焼灰の資源化技術の実証実験」が、同賞を受賞しました。

関連動画のご紹介

ミキサーの仕様と混合原理のご紹介

ミキサーの仕様と混合原理のご紹介動画(所要時間2分)です。

木質バイオマス燃焼灰の資源化技術

出典︓新技術説明会 channel, 2024 科学技術振興機構(JST)

関連製品のご紹介

アイリッヒ インテンシブ ミキサーは原料、混合物、化合物のさまざまな処理⽤途のために開発された⾼速撹拌混合機です。⽤途に応じた撹拌⼯具(ロータ⼯具)の形状と回転数の選択により、最適な原料処理を実現します。運転条件の調整により、混合、造粒、混練、スラリー化などの複数のプロセスを1台の機械で対応可能です。冷 却‧加熱に対応するジャケット構造の混合パン含め、さまざまなプロセスを可能にする幅広いオプションを設けており、⽤途に応じたカスタマイズが可能です。

アイリッヒの混合原理の特⻑

①偏⼼した位置で撹拌するロータ⼯具(撹拌⼯具)
 ロータ⼯具の形状、回転⽅向や回転数の変速域を⽤途に合わせて選定可能
②ツールセット(スクレーパ)
 混合パンの内壁や床に付着した原料をかきとり、同時にロータ⼯具への効果的な原料移動を促進
③混合パン(混合容器)
 回転することにより、混合容器内のすべての原料を連続的にロータ⼯具へ送り込みます。

独⾃の機構

  • 短時間混合および⾼い均質性
  • ⽐重の異なる原料の処理が可能
  • 回転する混合パンが原料移動を促進し処理残しを低減
  • ロータ⼯具の形状を選定し、混合パンの回転数を調節することにより複合的な原料処理に対応可能
  • プロセスの複合化によって⽣産設備の省スペース化、省エネ化を実現
  • 最適な運転パラメータを設定することで、再現性の⾼い原料処理を実現
  • 粘性の高い原料の混練が可能
  • 原料処理後の清掃性が良い

アイリッヒ インテンシブ ミキサー

R 型、D 型の2 種類のシリーズがあります。処理量も1~12,000L と幅広いラインアップを取り揃えています。

型式 有効容量(L) 運転データログ 製品排出
R型シリーズ 1~8,000 混合パン脱着式(EL1 型/EL5 型)
混合パン傾動式(R05T 型/R09T 型)
排出ゲート式
D型シリーズ 1,500~12,000 排出ゲート式

製品詳細はこちら

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弊社テクニカルセンターのテスト機の設置状況は下記のとおりです。より詳しくお知りになりたい⽅は、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。

型式 有効容量(L) 運転データログ 製品排出 テクニカルセンター
テスト機 設置状況
EL1 1 混合パン脱着式
EL5  5 混合パン脱着式
EL05T 10 混合パン傾動式
R08W 75 排出ゲート式
RV12W 400 排出ゲート式
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EL1

EL5 Profi Plus

R05T

R08W

RV12W

お問い合わせ
052-533-2578

少量の原料処理テストより承ります

日本アイリッヒのテクニカルセンターでは、最小1Lから最大400Lのテスト機を揃えており、少量の原料処理テストからスケールアップテストまで各種テストを行っています。経験豊富なスタッフがお客様の最適な原料処理方法をご提案いたします。

以下よりお気軽にご相談ください。