顆粒を球形にする理由とは
医薬品製造において、顆粒を球形にすることには以下のような利点があります。
球形度が高い粒子は、表面の凹凸が少ないため、コーティング剤が均一に付着しやすくなります。近年では、微粒子コーティングやマスキング用途においても、球形顆粒は核粒子として活用されており、造粒技術の重要性がさらに高まっています。
また、球形の顆粒は他の形状に比べて転がりやすく、流動性が高いという特徴があります。これにより、打錠機やカプセル充填機への供給がスムーズになり、製造工程の効率化にもつながります。
課題
- 粒度分布がブロードになる
- 強度が足らずに崩れてしまう
- 球形化に時間がかかる
- 球形の顆粒が得られない
求められること
- 高い球形度と粒子の均一性
- 次工程にて粒子が壊れない適度な強度
- 処理時間の短縮
参考︓浅田 拓海、吉田 勝(2023).新規高薬物含有球形顆粒製造技術 OPUSGRAN®による製剤と技術開発.第20 回仲井賞受賞論文, 公益社団法人 日本製薬工業協会.
課題解決のご提案/球形顆粒の造粒 処理事例
アイリッヒ クリーンラインを用いた、球形顆粒の造粒事例をご紹介します。
処理前後の顆粒の状態を写真で比較し、造粒の効果を視覚的にご確認いただけます。

処理前のSEM 画像
粒子が小さく、不均一。流動性が低い状態。

処理後の球形顆粒(200μm 以上)
粒子が大きく成長し、球形化が進んでいる。

処理後の微小な球形顆粒(200μm 未満)
小児製剤や口腔内崩壊錠に特に求められる微小な顆粒の調製も可能。

ツールセットによる付着自動かき取り
ツールセットが混合パン(混合容器)内壁への付着を自動でかき取ります。処理中の手動でのかき取り作業が低減されると同時に、壁面に付着した粒子が除去され、全体の混合が均一化されます。
作業者の曝露リスクの低減・粒度分布の偏りの抑制・高い歩留まりの確保につながります。
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導入企業様の声
「打錠に適した造粒顆粒ができるので、以前よりも硬度の高い錠剤が安定して作れるようになりました。」
「付着対策がしっかりしているので、手動でのかき取り作業が不要になりました。」
「以前使っていたものよりも、均一に混ざりやすく、ダマになりにくい点が気に入っています。」
製品のご紹介
アイリッヒ クリーンラインは、アイリッヒ インテンシブ ミキサーの持つ独自の混合原理はそのままに、医薬品・食品および高機能材料など、高い衛生管理が要求される原料処理用として開発されました。洗浄性や耐腐食性に配慮したハイジェニック仕様で、衛生的な状態を容易に維持することができます。大きく分けて日本製とドイツ製の二つのシリーズがあり、日本製は医薬品や健康食品分野などのお客様からのニーズに応えて、独自にGMP における機器設計、製造、検査、据付、試運転の要求事項への対応が可能です。
アイリッヒの混合原理の特⻑
①偏⼼した位置で撹拌するロータ⼯具(撹拌⼯具)
ロータ⼯具の形状、回転⽅向や回転数の変速域を⽤途に合わせて選定可能
②ツールセット(スクレーパ)
混合パンの内壁や床に付着した原料をかき取り、同時にロータ⼯具への効果的な原料移動を促進
③混合パン(混合容器)
回転によって、混合容器内のすべての原料を連続的にロータ⼯具へ供給
クリーンラインの特長
- ロータ工具の形状を選択し、回転速度を調節することにより、最適な原料処理を実現
- せん断力を調整することにより、粒子のサイズや密度をコントロールし、粒度分布はD50=200μm 未満〜1mm 程度など調整が可能
- ダブルジャケット構造で温度コントロールをすることにより、冷却・加熱造粒や温度変化に敏感な原料の処理が可能
- 混練およびその後のスラリー化の両処理において、すぐれた原料の循環と分散が可能
アイリッヒ クリーンライン
GMP 対応も可能なハイジェニック仕様のミキサーです。
少量の原料処理テストより承ります
日本アイリッヒのテクニカルセンターでは、最小1Lから最大400Lまでのテスト機を取り揃えており、少量の原料処理テストからスケールアップテストまで幅広いニーズに対応しております。経験豊富なスタッフがお客様の最適な原料処理方法をご提案いたします。
まずは、お気軽にご相談ください。
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